- TOP
- ネットECのキホン
- STEP1.開業スタートアップ
- ECサイト構築方法|構築に必要な6つの準備を徹底解説
ECサイトを開業してみませんか?
実店舗を持たずにネット通販をしたいとお考えの個人事業主の方に向けて、ECサイト開業のやり方をご紹介します。
【個人事業者必見!】開業に必要な手続き
ECサイトを作る前に、開業手続きをしましょう。初めて個人事業主となる場合は開業届を出すとともに、青色申告をするかどうかを決める必要があります。「開業届はいつまでに出せばいいの?」「青色申告を申請するタイミングは?」など、よくある疑問について解説します。
開業届とは?開業日を決めて開業届を出そう!
開業届とは、「個人事業の開業・廃業等届出書」のことで、事業開始から1ヶ月以内に税務署に届け出ることが法律で決められています。これを怠っても罰則はありませんが、今後の税金の申告や事業上の手続きに必要なため、開業届はきちんと出して開業日を確定させましょう。日付は、自分が事業をスタートしたと思う日でかまいません。
開業届の提出メリットとは?
開業届の控えがあると、銀行で事業用の口座が開設しやすくなります(口座開設にはその他の資料提出が必要な場合もあります)。事業用の銀行口座名義は「屋号+姓名」となります。屋号は開業届に記載した名称と同じになるので、よく考えて決めましょう。
さらに個人事業主は、税金を毎年、自分で確定申告しなければなりません。節税メリットが大きい青色申告を希望するなら、開業届と一緒に手続きするのがオススメです。
青色申告は事前申請を忘れずに
青色申告には65万円の特別控除(複式簿記の帳簿付けが必須)が適用される、家族の給与を経費にできる、赤字を3年繰り越せるなどのメリットがあります。
しかし、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を出さないと青色申告扱いにならないのでご注意ください。
申請期限は、青色申告をしたい年の3月15日までですが、開業から2か月以内に申請すれば、1年目から青色申告ができます(例:開業日が2018年11月14日の場合、2019年1月13日までに手続きすれば2018年分から青色申告できる)。
ECサイト開業時「6つの準備」
それではECサイト開業の準備に進みましょう。購入者が安心して利用できるECサイト作りを第一に心がけながら、人気店を目指してください!
1.ECサイトのコンセプトを決めよう
コンセプトがないままにECサイトを構築するのは、キャラクター設定をせずに小説を書き始めるようなものです。それでは購入者にとって、わかりづらく興味の持てないECサイトになってしまいますので、最初にコンセプトを決めることが大切です。
具体的には、「商品の強みは?」「だれに必要とされるの?」「どんなニーズとマッチするの?」といった分析をして、ターゲットを絞り込むと良いでしょう。コンセプトやターゲットを決めることで、ECサイトでなにをどのように伝え、提供していくのかが明確になり、結果的に購入者の共感や信頼を得やすくなります。ここで決めたコンセプトは、商品カテゴリー、販促コピー、サービス、デザインなど、すべてのECサイト設計のもとになる非常に大事なものです。
2.商品写真を用意しよう
ECサイトでは、掲載する写真や商品情報が売れ行きを大きく左右するため、その準備にも手間やコストがかかります。
商材によっては、わざわざスタジオを借りたり、プロのカメラマンを頼んだりする会社も出るほど、商品写真のでき映えが重要視されます。
特に、実物に触れることのできないEC業界では、商品の機能や特徴を画像形式で、説明文を交えながら、購入者に伝わるように視覚的に表現することが大切です。
一見難しそうな準備事項ですが、商品写真の撮影方法とコツをつかめば、初めての方でもプロ並みに商品写真が撮れますので、事前に商品の現物を1〜2点用意して、きちんと練習してみましょう。
前もって写真撮影や商品紹介を作成しておけば、ECサイトへの掲載準備に活用できます。
3.売り場を選ぼう
ECサイト開設の方法は大きく分けて、モール出店と自社ECサイト出店があります。たとえるならモールは大きな商店街で、そこで買い物をしたい購入者が常に集まってきます。一方、自社ECサイトはどこにも属さない路面店(しかも隠れ家系)のようなものです。
モール出店とは?
有名なモールには楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなどがあります。出店には費用がかかりますが、モールの集客力やブランド力に相乗りできるのは大きなメリットです。購入者もモールを信用して、使い慣れた仕組みを利用して買い物することができます。その反面、ショップ独自のデザインやサービスは打ち出せないので、ファンやリピーターが育ちにくい傾向です。
同じモールの競合他社と比較検討されやすい傾向もあるので、ブランド品のショップや価格競争に強いショップなどは、モール出店向きと言えるでしょう。
自社ECサイト出店とは?
自社ECサイト出店は、独立したショップを自分で構えるため、費用が比較的リーズナブルで、個性的なサービスを打ち出せます。その代わり、信用される店作りから、集客、販促まですべて自力でやらなければなりません。とくに集客は大変なので、SEO施策や広告、SNS活用などに取組むことも必要です。
すでにショップ名が知られている場合や、商品を使ったライフスタイルを提案してコアなファンを増やしたいショップなどは、自社ECサイト出店向きと言えるでしょう。
モール出店と自社ECサイトの比較
モール出店と自社ECサイト出店の比較内容をまとめると、主に次のような違いがあります。それぞれに、メリットとデメリットがあるので必ずチェックしてください。
手ごろな価格で始めやすい「らくうるカート」で、自社ECCサイトを開業しませんか?詳しくはこちら
4.決済方法を導入しよう
実店舗と違って、購入者はECサイトでの決済に少なからず不安を抱いています。安心してスムーズにお買い物をしてもらうために、「クレジットカード決済」「代金引換」「コンビニ後払い」の3つは導入しましょう。
決済方法の中でも、利用者が最も多いクレジットカード決済は、使用できるクレジットカードが少ないと「かご落ち(カートに入れたのに購入しないこと)」の原因になるので、各種ブランドに対応したシステムを選びます。代金引換(代引き)は品物が届いてから、コンビニ後払いは中身を確認してから支払いができる安心感から支持されています。
これら人気の決済方法3種はショップ側にもメリットがあり、入金を待たずスピーディーに出荷できるので、購入者に「またこのお店で買いたい」と感じてもらいやすいです。
ネット通販に導入されている決済方法一覧・最も購入者に利用される決済方法は?詳しくはこちら
5.配送・梱包を準備しよう
ECサイトは、購入者が商品を閲覧し、その商品を手にするまでの全てのプロセスにおいて、愉快な購入体験を提供することこそが理想だと言えるでしょう。
そのため、ECサイトの品質だけでなく、配送や梱包においても確実な品質を保てるよう意識していきましょう。
数あるECサイト、商品のなかから自店の商品を選んでくれた購入者だからこそ、感謝をこめてきれいな状態で、お好みの時間帯に商品を届けられるような、高品質なサービスが必要です。
また、配送方法や梱包状態の説明については、ECサイト上にもきちんと告知できるほうが、購入者に好印象を与えます。
6.サイト設計
ECサイトの作り方、基本のステップをご説明します。ご自身の買い物体験も思い出しながら、購入者にとって見やすく買いやすいECサイトを設計しましょう。
ページ構成・設計図
ECサイトに必須の要素とページを以下のように書き出します。あらかじめ決めたコンセプトにそって、購入者が共感や安心感を得られるよう、ページ内容や文章を考えてください。
<ショップの看板>
- ショップ名
ロゴにしたときのイメージや、可読性、覚えやすさなども考慮します - サブタイトル
ショップの概要を表す一文で、ロゴとセットで表示することが多いです - ドメイン名
×××.jp、×××.comなどのURL。簡潔で理解しやすい表記がベター
<主要なページ>
- TOPページ
ブランドイメージや最新情報、一押し商品やキャンペーン、主要な商品カテゴリーやページへの入り口をわかりやすくまとめます - 商品一覧ページ
商品カテゴリーごとのページ - 商品ページ
商品ごとの購入ページ - 買い物方法のガイドページ
注文、支払い、ラッピング、配送について - 特定商取引法に基づく表示
トラブル防止のためショップ情報の公開が義務付けられています - プライバシーポリシー
収集した個人情報の取扱い、セキュリティーについて
<その他のページ>
- ショップ紹介ページ
ショップの生い立ちや特徴など - 商品に関連する情報ページ
季節限定のギフトページ、商品コーディネート提案など - スタッフブログ
ファンとの交流場所
サイトマップ
サイトマップとはECサイトの設計図や目次にあたるページで、先ほど書き出した全ページを分類し、大カテゴリー>中カテゴリー>小カテゴリーへと階層化し整理したものです。下図は一例ですが、購入者が欲しい情報を見つけやすいように整理するのがポイントです。
サイトマップは、集客にも重要な役割を果たします。Googleなどの検索エンジンにサイトの全体像を知らせて、検索結果への反映を促す効果があるので、必ず設置しましょう。
ここまでくれば、ECサイトの組み立て作業に移ることができます。詳しくはこちらをご覧ください。
コスト・売上のシミュレーション
売り場・決済・配送それぞれの候補会社が決まれば、ECサイト開業にかかるコストが大体試算できるようになります。
目標売上を商品価格と目標販売個数に分解してみると、1ヶ月や1日あたり、各商品がどのくらい売れるかを実感することができます。
そしてコストは、開業時しかかからない「初期費用」と毎月かかる「運用費用」に分けられます。
下記計算式は、複雑なシミュレーションを単純化したものなので、迷った時はご参考ください。
購入者が初めて商品を目にするところから、購入した商品の配送作業まで、一連の購買活動のコストを一通りシミュレーションすることができます。
売上計画を立てたうえで、商品価格、在庫数、商品ラインナップのバランスを調整しましょう。
まとめ
ECサイトではお互いの顔が見えないからこそ、安心・わかりやすい・スムーズに取引できるといったキーワードが重要です。そして単なる購入者ではなく、ファンができるECサイトには、魅力的なコンセプトが必ずあります。しっかりと準備をしてからECサイト作成に臨めば、迷ったときに基本に立ち戻ることができるでしょう。もちろん、運営しながら改良案が出てきたら、どんどん変えていけるのもECサイトの良いところです。さあ、ECサイト作成を始めてみましょう!