ECサイトで導入すべき決済サービスの特徴とメリット・デメリット

ECサイトで導入すべき決済サービスの特徴とメリット・デメリット ECサイトで導入すべき決済サービスの特徴とメリット・デメリット

ネット通販は、対面しなくても買い物ができ、とても便利です。また、その決済方法も、ユーザーのライフスタイルに合わせたものが選択できるという点で、ネット通販の強みだと言えます。幅広く、各世代の購入者を取り込むには、多種多様な決済方法を導入することも、重要なポイントの1つだと言えるでしょう。決済方法には、カード番号を入力するだけで、その場で決済ができるクレジットカード払いや、スマートフォンの料金と一緒に支払いができるキャリア決済などがあります。

ネット通販の決済方法まとめ

それではまず、それぞれの決済方法を説明します。特徴とメリット・デメリットを挙げていきますので、参考にしてみてください。

1.クレジットカード
2.代金引換
3.コンビニ払い
4.後払い(払込票式)
5.キャリア決済
6.銀行振込
7.新しい決済方法(デビットカード)

決済方法:1.クレジットカード

クレジットカードに記載されたカード番号を入力して、承認されればその場で支払いが完了する決済方法です。
購入者側のメリットは、その場でお金のやりとりが発生しないため、現金を持っていなくても購入できることや、クレジットカードのポイントがついてお得なことなどです。
逆に、デメリットは、未成年や年配者など、クレジットカードを持っていない方は利用できないことや、インターネット上にカード番号を入力するため、セキュリティ面での不安が生じることなどが挙げられます。

一方、ショップ側のメリットは入金を待つ必要がなく、振込着金までの待ち時間が削減でき、発送までのリードタイムを短くできることです。
逆に、デメリットは、導入までに時間がかかること、決済手数料が発生することが挙げられます。

クレジットカードの場合 購入者 ショップ
メリット
  • 現金がなくても購入可能
  • クレジットカードのポイントがつく
  • 入金を待つ必要がない
  • 発送までのリードタイムが短い
デメリット
  • 未成年や年配者などクレジットカードを持っていない人がいる
  • カード番号流出といったセキュリティ面の不安
  • 導入までに時間がかかる
  • クレジットカード手数料が発生する

決済方法:2.代金引換

商品の到着と引き換えに、代金を支払う決済方法です。
購入者側のメリットはカード番号を入力せずに済むことや、商品と引き換えに支払いができるため、不着などのトラブルが少ないことです。
デメリットは、留守中に荷物が届いても宅配ボックスを利用できないことが挙げられます。

一方、ショップ側のメリットは、支払いを待たずに発送できることや、確実に代金回収ができることです。
しかし中には、注文しながらも受取らない購入者がまれにいます。一定期間を過ぎても、商品が受取られなかった場合は、ショップに返送されるため、往復の送料と代引き手数料が発生してしまいます。特に食品などの期限があるものは、期限内に受取ってもらわなければ、破棄になってしまう可能性もありますね。

代金引換の場合 購入者 ショップ
メリット
  • カード番号の入力が不要
  • 商品と引き換えに支払いができ安心
  • 支払いを待たずに発送できる
  • 代金回収が確実である
デメリット
  • 留守中に荷物が届く可能性がある
  • 受取がない場合、商品返送時に費用が発生する

決済方法:3.コンビニ払い(コンビニ・オンライン)

商品購入後、ショップはコンビニ収納代行会社へ、注文内容データを送信し、コンビニ収納代行会社から発行された「受付番号」を購入者に通知します。購入者は通知された番号をもとに、コンビニで代金を納める決済方法です。

決済方法:3.コンビニ払い(コンビニ・オンライン)

購入者側のメリットは、忙しくても、24時間営業しているコンビニでいつでも支払いができることです。
しかし、近くにコンビニがない場合は、逆に不便かもしれません。

一方ショップ側のメリットは、振込があると、コンビニ収納代行会社から通知がくるため、振込確認の手間が省けること、また、クレジットカードや銀行振込は利用したくない客層を取り込めることです。
デメリットは、コンビニ店舗によって、購入者が支払ってからの入金確定日が異なるため、運用の手間がかかる可能性があることです。

コンビニ払いの場合 購入者 ショップ
メリット
  • 24時間、都合の良いときに支払いができる
  • 振込確認の手間が省ける
  • より多くの購入者層を取り込める
デメリット
  • 近くにコンビニがないと不便
  • 運用の手間がかかる

決済方法:4.後払い(払込票式)

注文が入ると先に商品を発送し、購入者が内容を確認してから代金を支払う決済方法です。
購入者側のメリットは、先に商品を確認できるため、納得して支払いができること、また、支払いまでに時間があるので、給料日後など支払いを調整できることです。
しかし、先に商品が届いてしまうので、うっかり入金を忘れる可能性があります。その他のデメリットとして、後払いサービスでは、商品価格が30万円までのように上限が設定されている場合もあり、あまり高額な商品は購入できない点が挙げられます。

一方、ショップ側のメリットは、購入者の信頼を得られやすいことや、決済代行会社が代金を回収してくれるため、入金確認など事務処理の負担が軽減されることです。
デメリットは、購入者の入金忘れや、意図的に支払わないなどのリスクがあることです。

後払いの場合 購入者 ショップ
メリット
  • 商品を確認してから支払いができる
  • 商品を購入してから支払いまで時間がある
  • 購入者の信頼が得られる
  • 事務処理の負担が軽減される
デメリット
  • 入金を忘れるリスクがある
  • 上限金額が設けられている場合がある
  • 代金回収不能のリスクがある

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決済方法:5.キャリア決済

スマートフォンなどモバイル端末上で買い物をした際、月々の携帯代金に商品代金を含めて支払う決済方法です。

決済方法:5.キャリア決済

購入者側のメリットは、1クリックで簡単に購入できること、また、銀行やコンビニへ行く必要がないことです。
デメリットは、携帯代金とともに請求されるため、いくらの買い物をしたのか明細管理がしづらいことや、現金を扱う感覚が薄れやすく、使いすぎてしまいやすいことが挙げられます。

一方、ショップ側のメリットは、モバイル端末を持っている全員が購入者となり得るため、年齢層が幅広く、潜在顧客が多いこと、また、クレジットカードを持たない未成年層を取り込みやすいことです。
デメリットは、キャリアごとに仕様が異なるため、管理が煩雑になることや、手数料がほかの決済方法よりも高くなることが挙げられます。

キャリア決済の場合 購入者 ショップ
メリット
  • 1クリックで購入できるため簡単
  • 銀行やコンビニなどへ行く必要がない
  • 購入者の年齢層が幅広く、多い
  • クレジットカードを持たない未成年層を取り込みやすい
デメリット
  • 携帯代金とともに請求されるため明細管理がしづらい
  • 現金を扱う感覚が薄れやすい
  • キャリアごとに仕様が異なる

決済方法:6.銀行振込

ショップが指定した口座に、商品代金を銀行から振り込む決済方法です。

決済方法:6.銀行振込

購入者側のメリットは、昔からある方法で年配者にも分かりやすく、馴染みがあることや、同一銀行宛の振込であれば手数料がかからないことです。
デメリットは、銀行の営業時間が短く、社会人にとっては不便なこと、また、他行宛の手数料が高く、振込先を誤ると、返金などでさらに余計な手数料がかかることが挙げられます。

一方、ショップ側のメリットは、購入者の認知度が高くスムーズなことや、運用コストなどの手数料がかからないことです。
デメリットは、入金の消し込み作業に手間がかかること、また、購入者からの入金が15時以降になる場合は、翌営業日扱いとなり、入金確認にタイムラグが生じることが挙げられます。

銀行振込の場合 購入者 ショップ
メリット
  • 昔からある決済方法で馴染みがある
  • 同一銀行であれば手数料がかからない
  • 顧客の認知度が高い
  • 手数料がかからない
デメリット
  • 銀行の営業時間が短い
  • 他行宛の振込手数料が高い
  • 入金の消し込み作業に手間がかかる
  • 15時以降の入金は翌営業日扱いになる

決済方法:7.新しい決済方法の紹介

一昔前は、ネット通販の決済方法と言えば銀行振込が主流でしたが、今はこんなにたくさんの方法が選べます。さらに新しい決済方法として、デビットカードが注目されつつあります。クレジットカードが事後決済であることに対し、デビットカードは即時決済です。つまり、デビットカードを利用すると同時に銀行から代金が引き落とされます。ほぼ現金支払いに近い感覚で使用できるため、後でお金が引かれることを理由に、クレジットカードを敬遠する購入者向けの決済方法だと言えるでしょう。

最初にECサイトに導入すべき決済方法

こんなに多くの決済方法があると、全部揃えるのは大変ですね。一気に揃えようとすると、導入費用ばかりがかさみ、採算が取れなくなってしまうこともあります。したがって、まずはニーズの高い決済方法から揃えていくと良いでしょう。それでは、具体的にはどれから揃えたほうが良いのか、数値に基づいた分析を含めて説明します。

ネット通販の決済方法の割合

ネット通販の決済方法の割合

出典:「情報通信白書 令和元年版」(総務省)より

このグラフは、ネット通販の利用実績から、実際に行われた決済方法の割合を表したものです。様々な決済方法があるとはいえ、実態としては、7割以上の購入者がクレジットカード払いを選択しています。その理由は、前述のとおり購入者に現金のやりとりがなく、ポイントがつくことなどが考えられるでしょう。次いで、コンビニエンスストアでの支払い、代金引換となっています。つまり、クレジットカード払い、コンビニ(後払いorコンビニ・オンライン)代金引換、を揃えるだけで、購入者ニーズを概ねカバーできることになります。

クレジットカード・代金引換を導入すると損はしない

上記の決済方法の割合からも分かるように、ショップが初めに導入しておきたい決済方法としては、最も選ばれているクレジットカード、そしてコンビニ払い、代金引換が挙げられます。導入順番でいうと、先に代金引換の申込をしておいて、同時にクレジットカード払い、コンビニ払いの準備をすることが効率的です。キャリア決済や電子マネー決済などはあるに越したことはないですが、運用面やコスト面で無理をしてまで、全ての決済手段を一気に導入する必要はありません。商材特徴や購入者特徴によって、決済方法のニーズは異なるため、購入者の購入頻度や顧客層に応じて、検討が必要になります。

例えば、若年層向けのオンラインゲーム課金アイテムならキャリア決済、クレジットカードを持たない学生・主婦層にはコンビニ後払いにニーズがあります。まずは、商品のターゲットがどの年齢層なのかを考えてみてはいかがでしょうか。ちなみに銀行振込は導入費無料のため、バリエーションを増やす意味で導入すると良いでしょう。そして、事業を拡大するときに、また新しい決済方法を検討していきましょう。

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